
“血行不良”と表現すれば分かりやすいかもしれません。手や足などの体の末端の部分で血行が悪くなっている状態です。体内の毛細血管の入口にある細動脈の平滑筋が収縮し、毛細血管へ血液が送られなくなることによって、毛細血管の周りの細胞温度が下がってくることを指します。
“冷え性”と聞いて思い浮かぶのは女性特有の症状という点ではないでしょうか。男性よりも女性の方が“冷え性”に悩む人が多く、女性の2人に1人は冷え性とさえも言われています。“冷え性”の主たる原因は末梢の血管まで血液がうまく行き届かない点にあります。ではなぜ、冷え性が女性に多いのでしょうか?
女性に冷え性が多い理由
◆月経(生理)のある女性は貧血になる可能性が高く、血行障害が起きやすいため。
◆体温調節をコントロールしている自律神経が女性ホルモンの変動にも左右されるため。(妊娠や閉経をきっかけに冷え性になる人が多い。)
◆きつい下着や足に合わない靴を身につけることによって体を締め付け血流が悪くなるため。
◆熱を発生させるのと合わせて、血流を促進する血管の収縮に必要な筋肉量が女性には少ないため。
※その他、無理なダイエットが原因で冷え症になる場合もあります。
このように女性は体質的に“冷え性”になりやすと言えるでしょう。
冷え性の原因には、上述のように女性特有の原因の他に重要な要因として“塩分の取り過ぎ”が考えられています。一度、塩分を身体の中に摂取すると、「血液中の塩分濃度を一定にしよう」という働きによって、細胞の水分が血液の中に入ってきます。水分量が増えすぎた血液は、結果として肝臓の処理能力を超えることにより、血行を悪くし、“冷え性”になっていきます。
通常、人体は寒さを感じると熱の発散を防ぐため血管を縮めて血行が悪くなり(緩やかになり)ます。そうなると、手足などの抹消まで血液が行き渡らなくなり、ますます冷えという結果になります。さらに、血行が悪くなることによって新陳代謝が低下し、水分を排出する力も弱まります。また、体に余分な水分がたまり、その水分がさらに体を冷やして血行を悪くさせ、新陳代謝を悪化させるという悪循環に陥いります。結論として、冷え性は“血行の悪さ”と“余分な体内水分”がお互いに影響しあい、悪化する関係と言えます。
では、冷え性にならないためにはどうしたら良いのでしょうか?まず改善しなければいけないのは食事です。それと同時に適度な運動も効果的です。運動不足になると、血行が悪くなります。また、冷えた体は、直接的な筋肉の働きによっても温めることが可能です。
運動不足で筋肉量が少ない状態では、いくら厚着をしていても体は思うように温まりません。運動によって血液循環を促し、全身の筋肉の7割が足の筋肉と言われているので、その筋肉量を増やし、温まりやすい体を作ることが、冷え性改善につながります。
激しい運動ではなく軽い運動でも効果的と言えるでしょう。普段の生活で歩く距離を少し増やしたり、仕事や家事の合間に簡単なストレッチするくらいでも問題ありません。就寝前のストレッチは血行が良くり体温が上げ、質のよい睡眠をとることができます。
また、弱くなっている血液を循環させる力を運動によって強くし、血行を良くすることも効果的です。心臓と足の筋肉は血液を送り出すポンプと言われているので、心臓と足の両者を強くすることが重要です。心臓から血液が送られると、足の筋肉が収縮して上半身に血液を送り返します。
体の歪み・姿勢の良くないから、血液循環が悪くなります。身体が歪んでいると、血管が筋肉で圧迫されます。そうすると足先や手先の毛細血管まで十分な血液を送ることができにくくなります。冷え性の根本改善にはまず、身体の歪みを整えなければいけません。たかが冷え性、されど冷え性。冷え性を放っておくと、血液の循環が悪くななり、腰痛・肩こりにもつながります。

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